PKCdelta遺伝子ノックアウトマウスと自己免疫疾患

摘要

cAMPの発見により生体における情報伝達において「セカンドメッセンジャー」という概念が導入され,サイクリックヌクレオチドをセカンドメッセンジャーとする情報伝達機構においては,cyclic nucleotide-dependent protein kinaseによるタンパク質リン酸化反応によりその情報が増幅伝達されていると考えられている.一方,cAMPを主としたメッセンジャーによる情報伝達機構以外に,細胞内Ca~(2+)の上昇と細胞膜イノシトールリン脂質の代謝回転の亢進を伴う伝達機構が存在することが観察されていたが,この細胞内情報伝達機構の詳細は長い間不明であった.