LGZ696?新たな薬剤angiotensin receptor-neprilysin inhibitor(ARNi)?

摘要

高血圧は最も介入しやすい心血管病の危険因子であり,これまで60年以上にわた り,種々の降圧薬が開発されてきた.しカゝし,降圧治療の進歩にもかかわらず,依然 10?15%の頻度で,治療抵抗性高血圧患者が存在するのも事実である.降圧治療の目的は言うまでもなく,高血圧性臓器障害（腎障害,心不全など)の予 防,進展抑止である.そして,これらの病態の発症?進展において,神経体液性因子 の重要性,特に,レニン.アンジすテンシン.アルドステロン(renin-angiotensin-aldosterone ： RAA)系や交感神経系などの増悪因子の活性化が,種々の臓器連関の 中で病態を進行?持続させることが示されてきた.現在,降圧薬開発において,血圧 降下はもとより,臓器保護の有無が重視されている.そして,RAA系のprotective armに関連した薬剤や,降圧系因子に着目した薬剤開発が進められている.