滋賀医科大学教授就任に-あたって一「教育に逃げるな,教育から逃げるな」一

摘要

このたび2016年1月1日付けで解剖学講座?神経形態学部 門教授を拝命いたしました.解剖学は医学教育の基礎であ り,与えられた職責の大きさに身も心も引き締まる思いです.私は金沢大学理学部を卒業後,高知大学修士課程に入学し,途中から京都大学に身を置きDNA操作の基礎を佐藤矩行助教授（当時）の研究室で学び,次いで東京都立大学西駕秀俊助教授（当時）に博士課程を通してほぼマンツーマンで指導を受けました.自己流に流れてしまう私の性格とは正反対の基本に忠実な西駕先生の技術指導によつて身に付いたモレキュ ラ―クローニング技術は,これまで研究を進めていく上での強力な武器となりました.博士課程の3年間に行った研究は 7本の学術論文となり,研究者としての自信を今でも与えて くれます.学位取得後,つくば通産省工業技術院（現産総研） に就職し,当時,東京大学の高橋國太郎先生の元から異動し てきた方々が立ち上げた研究グル一プで原索動物ホャの神経 研究を行いました.