薬剤性肺障害CT画像診断のポイン卜

摘要

薬剤性肺障害の診断では，1)被疑薬剤を投与後に発症，2)被疑薬剤で，同様の臨床病型を示す肺 障害の報告がある，3)被疑薬剤の中止により改 善，4)被疑薬剤の再投与による症状の再燃，5)同 様の症状を示す他疾患が除外される，などの診断 基準がある.しカゝし，被疑薬剤の中止のみによつ て必ずしも症状の改善がみられずsteroid剤の投 与が必要なことも少なくない.また機序は不明で あるが，再投与によっても症状の再燃，増悪のな い症例もある.臨床症状は，乾性咳嗽，発熱，呼吸困難などで 症状自体は非特異的である.症状の程度は様々で あり，時に自覚症状を欠く例がある.ことに最近 注目されているmTOR阻害剤による肺障害では自覚症状を欠く軽症例が多い.