心臓の拡張機能障害患者のhealth related quality of life(新潟·佐渡心不全研究)

摘要

日本人の拡張障害(DD)患者の健康関連QOL(health related quality of life:HRQOL)について検討した.佐渡市の医療機関で1998年1月から2002年12月に行われた連続7,000件の心エコー検査より,DDを有す60-84歳の外来通院患者を全て抽出した.これらの患者の診療録を調査し,Medical Outcome Study Short Form 36を含む質問票を郵送し回答を得た.5年間で288名のDD患者が抽出された.2004年末に生存した236名へ質問票を送付し,172名(男性109名)から回答を得た.平均3I6年(中央値3.2年)の外来治療を経てもなお男女とも身体機能,全体的健康感,活力および心の健康が国民標準値と比し低下していた.これらの下位尺度の低7は運動耐容能の低下と有意に相関した.心身両面のHRQOLの低下はDD患者の抱える重大な問題である.その生理的背景には運動耐容能の低下があり,その改善は重要な治療目標の一つである.