ベトナムにおけるダイオキシン類による健康影響に関する疫学的研究（第12報）母乳中ダイオキシン濃度と食事摂取との関係

摘要

2002年よりベトナムにおいて枯葉剤撒布によるダイオキシン類の健康影響を明らかにするために調査を継続している。 本研究はベトナムにおける母乳中ダイオキシン濃度と食事摂取との関連性を明らかにすることを目的とし、枯葉剤撒布地区と非撒布地区の女性を比較検討した。 2007年にQuang Tri省Cam Lo地区Cam Chinh村（撒布地区）に住む母親90名、HaTinh省Cam Xuyen地区Cam Phuc村（非撒布地区）に住む母親68名を対象に、食物摂取頻度調査票（FFQ）、基本属性に関する質問紙に基づき面接調査と身長·体重の測定を実施した。 面接調査は栄養調査経験のあるベトナム人研究者が行い、日本人研究者は記入内容の確認を行なった。 FfQは草間らが開発したベトナム版下FQを使用した。 母乳中ダイオキシン濃度は2002年·2003年度に測定された分析結果を使用した。 一日当たりの栄養素摂取量の算出には栄養計算ソフトVietnam EIYOKUNを用いた。 統計解析にはJMP6．0を使用し、各栄養素摂取量は残差法によるエネルギー調整を行なった。