表情筋の回復が期待される顔面神経麻痺症例に対する外科的アプローチ-Neuralsignalaugmentation/Neuralsupercharge仮説に基づいたnetwork型神経再建－

摘要

陳旧性完全麻痺の症例において，顔面表情筋のもつ非常に複雑なべクトルを有する動きの再建を，1または2方向にのみ引き上げる方法で行うことには限界がある。 そのため，耳鼻咽喉科と脳神経外科とチーム医療体制を構築し，顔面神経麻痺発症後1年以内に当科外来を受診してもらい，「陳旧性完全麻痺になってしまう症例」が生じることを防いできた。 そして同時に，当科外来に受診する，顔面表情筋の回復が期待される新鮮完全麻痺症例，あるいは陳旧性不全麻痺症例に対する外科的治療の可能性を広げていくことに努めてきた。