大腿骨遠位骨端線損傷(Salter一Harris type III)の1例

摘要

骨端線損傷において大腿骨遠位部での発生頻度は4.6%と少なく,なかでもSalter-Harris typeIIIは非常にまれである.今回われわれは1症例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.14歳,男.左膝関節痛.特記すべきことはない.1997年5月7日夜,自転車乗車中,交差点で車と衝突し,左膝を伸展され受傷した.同日当院を受診した.身長161cm,体重66kg,体格中程度であった.左膝関節は腫脹がみられ,約10 degの反張膝を呈していた.