Budd－Chiari症候群に対する外科治療 閉塞肝静脈再建と肝静脈再開通術式

摘要

Budd－Chiari症候群（BCS）の概念は肝静脈3主幹，あるいは肝部下大静脈の閉塞の狭窄，もしくはこの両者の併存によって門脈圧亢進などの症状を示す疾患であり，その自然予後は不良とされている。 一般に本邦を含めて東洋においては，肝部下大静脈閉塞を伴う慢性型が多く，西洋においては急性肝静脈閉塞型が多い。 本症に対する外科治療は木村らの膜破砕の報告以来40年を経ているが，今日ではより根治的な通達手術が施行されるようになってきた。