初回術後15年目に再手術を要した胃全摘後p-Roux-en Y 再建症例一再建の形の重要性を再認識させられた1例

摘要

胃癌の手術においては，予後の改善と平行して術後のQOLの確保が必要であり，そのため腹腔鏡下胃切除や機能温存手術などが積極的に施行されている。しかし今回，機能温存手術などとは別に，QOL確保のため，再建後の形の重要性を再確認させられた症例を経験したので報告する。現病歴：約15年前にstage lib (t2, n2, MO) 胃癌に対し胃全摘術，p-Roux-en Y再建が行われていた。その後,術前に171cm, 80 kgあった身長，体重が，術後5力月目で体重70 kgに，その後体重55 kg (-25 kg)まで落ちていった。また，血液生化学検査でも，栄養指標の1つであるAlb値，総蛋白値およぴChE値が低下していた。