術前に総腸間膜症併存と診断し，D3郭清を伴う右側結腸切除術を施行した上行結腸癌の1例

摘要

総腸間膜症は成人になって究見される例では， ほとんどが開腹の際に偶然発見される。この場 合，解剖の把握が困難で不十分な郭清となる可能 性がある。しかし今回は術前に総腸間膜症併存と 診断し，血管系の走行や形態を把握できたことで，計画的にD3郭清を伴う右側結腸切除術を施 行することができた1例を経験したので若干の文 献的考察を加えて報告する。