12.ハンドアシス卜手術器具と小切開創密閉器具 'Double glove techniqueと'Glove puppet techniqueを中心に

摘要

患者さんへの侵襲を最小限にする目的から， 近年，消化器外科領域でも手術創をできるだけ小さくする方向にある。その気運は内視鏡外科手術の隆盛に象徴される。20世紀の開腹術の時代は，創縁保護は創縁ガーゼ（または創緣タオル）を用いて行われた。感染予防と癌の播種を予防する観点からである。その後，1980年代後半に腹腔鏡下胆囊摘出術11が開始されたことで，90年代は内視鏡外科手術の時代となつた。大きな開腹創は不要となり，腹腔鏡下胆囊摘出術では，胆囊はトロカール刺入部を少し広げることで標本を回収袋に入れて取り出すことができた。