市販皮膚夕剤の皮膚透過性および副作用に及ぼす皮膚の状態および基剤·剤形の影響

摘要

皮膚外用剤からの皮膚への透過は基剤や剤形および皮膚の状態により変化する.そこで，これちの関係を調べるために，ヘアレスラットの皮膚を用いて検討した.実験には脂溶性薬物のステロイドおよび水溶性薬物の尿素を用いた.その結果，脂溶性薬物のステロイドおよび水溶性薬物の尿素いずれも正常皮膚では乳剤性基剤のクリームが油脂性基剤の軟膏と乳剤性懸濁液のローションよりも透過が優れていた.これに対し， 角層剥離皮膚では脂溶性薬物のステロイドおよび水溶性薬物の尿素いずれも全ての製剤で透過が増加し，増加比はローションが最も大きいことが明らかとなつた.