皮膚科領域細菌感染症の治療法 特にMRSA対策

摘要

皮膚科領域の細菌感染症の原因菌には種々のものが あるが，感染症部位の細菌培養を行うと，表皮ブドウ球菌と黄色ブドゥ球菌が全体の7割近く分離され，特 に黄色ブドウ球菌が全体の50%近くを占める8.—方 化膿レンサ球菌が分離される頻度は1096以下と少な いが，重!感染症を引き起こすことが多いため，治療 上注意すベき細菌である.またグラム陰性桿菌は10% 前後であり，外陰部以外侵襲的な皮膚病変をきたすこ とは稀である.表皮フドウ球菌はPropwnibacteriumacnesと並んで 皮膚常在菌の代表的なもので，例え培養されても感染 を起こしていると断定できないことも多い.このよう な意味からいって皮膚科領域で治療上重要なターゲッ トとなる細菌は，黄色ブドウ球菌と連鎖球菌，中でも黄色ブドウ球菌である.