シンポジウム4-3　臨床と分子生物学の関係は? 先天性表皮水疱症:遺伝子異常とその臨床

摘要

ワトソンとクリックがDNAの構造を解明し,分子生物学発展の礎を築いてから50年日に当たる本年は,医学の分野にとっても分子生物学と臨床との関係をもう一度整理し,将来の高度医療が目指すべき方向を確立するための節目の年であるといえる.高度医療は,基礎研究,臨床研究と三位一体となることにより初めてなし得ることは言うまでもなく(図1),皮膚科領域でも基礎研究の成果が臨床研究に応用され,その結果が再び基礎研究にフィードバックされると共に高度医療を開拓しつつある.本稿では,先天性表皮水疱症epidermolysis bullosa, EB)の分子生物学とその臨床応用の現状についてまとめる.