ヒト腎切片を用いた薬物間相互作用の定量的評価系の確立

摘要

葉酸アナログであるMethotrexate（MTX）は抗癌剤としてのみならず、リウマチなどにも適用される薬剤であるが、非ステロイド性抗炎症治療薬（NSAIDs）、ペニシリン系抗生物質、probenecidとの併用により、MTXの消失遅延とそれに伴う副作用の発生が過去に臨床報告されている。MTXの尿細管分泌過程が併用薬物により阻害されたとの仮説の下、われわれはラット腎切片を用いてMTXの腎取り込みにOarganic anion transporter3（rOat3）とreduced folate carrier（RFC－1）が寄与していること、さらにNSAIDsがMTXの腎切片への取り込みを臨床非結合型濃度で部分的に阻害することを過去に報告している。