血液脳関門を介した有機アニオンの排出メカニズムの解析

摘要

中枢神経系への薬物暴露は、血液·中枢神経系間の関門となる血液脳関門·血液脳脊髄液関門により制限されている。 それぞれの関門の実体となる脳毛細血管および脈絡叢上皮細胞の細胞間では細胞間に発達した密着結合が形成されているほか、薬物を能動的にくみ出す排出輸送機構が発現している。 現在では、血液脳関門は単なる静的な障壁ではなく、トランスポーターや代謝酵素など異物解毒機構により構成されるダイナミックな障壁へと大きく認識が変わった。