開口を周期配置した筐体の金属厚に対する磁界シールド効果解析

摘要

自動車に搭載された多数の電気·電子機器による車内の電磁環境の悪化が懸念されており，各車載機器にはEMC対策が必要である．その中でも車載インバータから放射するノイズはkHz帯であり，同周波数帯を利用しているAMラジオへの電磁干渉が報告されている．この対策として金属筐体によるシールドが挙げられており，この筐体には軽量及び排熱性を備えた構造であることが要求されている．そこで本稿では，開口を周期配置した筐体の金属厚に対する磁界シールド効果をkHz帯において評価した．その結果，開口を配置した場合においても表皮厚より薄い金属厚はシールド効果に影響することを示し，さらに開口が波長に対して十分小さい場合におけるシールド効果は、金属板の表面電流に依存していることを定量的に示した．