DFTS-OFDM伝送の非線形歪によるスペクトラム特性

摘要

本研究では，DFTS-OFDM伝送方式において，電力増幅器の非線形歪によるスペクトラム特性への影響について計算機シミュレーションにより明らかにする．シミュレーションでは，N個のDFTによる出力を並列送信するN-times DFTS-OFDM伝送と，1個のDFTによる出力を複数のClusterに分割して並列送信するClustered DFTS-OFDM伝送について評価している．評価結果から，4個のDFTを使用したN-times DFTS-OFDMでは，1個のDFTを用いた場合と比較して，PAPRが最大で2.0dB増大し，4個のClusterに分割したClustered DFTS-OFDM伝送では，PAPRが最大で1.4dB増大する．また，スペクトラム特性については，電力増幅器の入力バックオフを4dB とした場合，両方式ともに帯域外に-30dB程度の歪電力が発生するが，周波数配置により歪電力の発生する帯域を減らすことができる．特に，Clustered DFTS-OFDM伝送では周波数帯域割当方法として等間隔に使周周波数帯域を配置すると，N-times DFTS-OFDM伝送と比較して帯域内の歪電力を4.5dB低減できることを明らかにしている．