Cell Range Expansion適用下での分散学習を用いたセル選択におけるUE Outage低減手法

摘要

ヘテロジニアスネットワークにおいて，ピコ基地局（PBS）からの受信電力ヘバイアス値を加算し，疑似的にピコセル径を拡張するcell range expansion（CRE）は，セル端user equipment（UE）やネットワーク全体のスループットを向上する．バイアス値は全UE共通のものが使用されることが多いが，UE毎に設定することで更なるUE outage数の減少が見込まれる．しかし，最適なバイアス値は各UEの受信電力やUE分布，無線リソースの使用状況等に依存するため，UE毎に最適なバイアス値を設定することは困難である．そこで，本稿ではUE毎にQ-learning を用いて接続セルを選択し，接続要求を送ることでUE outage数を低減する手法を提案する．計算機シミュレーションにより，提案法がUE outage数をシステム上達成可能な最小値に抑えることを示す．また，以前，我々が提案したバイアス値設定手法に比べ，UE outage数を低減し，さらに，学習に必要なQ-tableサイズを小さく抑えられることで，収束速度も同時に改善することを示す．