景気は一段と悪化工事単価下落も止まらず

摘要

政府の11月の月例報告によれば，国内景気は一段と悪化している。 個人消費は弱含んでおり，失業率もこれまでにない高さに上昇している。 また，公共投資は総じて低調に推移している。 設備投資は生産の減少，企業収益の鈍化等を背景に減少している。 景気の先行きについては，米国における同時多発テロ事件等の影響もあり，世界経済が同時的に減速するなど，懸念が強まっている。 　 このため，政府は，構造改革を強力かつ迅速に遂行するため「改革先行プログラム」を決定し，補正予算を国会に提出するなどの措置を講じている。 　 国土交通省の主要統計をみると，9月の建設総合統計（出来高）は，公共，民間とも減少し，全体では前年同月比6.2％減と6箇月連続の減少となった。 また，9月の住宅着工戸数は，貸家，分譲住宅が増加したものの，持家が減少したため，全体で同2.9％減となり，季節調整済み年率換算値も118万1千戸と対前月比3.4％減少した。 民間非居住建築についても，工事費予定額は増加したものの，着工床面積は13箇月連続の減少となった。 　 このように，建設業を取り巻く環境は，依然として厳しい状況にある。