ビル·工場及び住宅の200V配線を対象とした電線·ケーブル(CV-T, VVF)の導体サイズアップの検討

摘要

筆者らはその著作論文の中で、発電所から一般消費者までの電線·ケーブルで生じる通電ロスを低減する手段として導体サイズをアップすることを考えつき、日本全国の既設の低圧CV-Tケーブル（単心3個より架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル）の導体サイズを平均で2倍にアップしたとすると、110万kW級発電所4～5基分の電力ロスが節約でき、日本全国総CO{sub}2排出量についてもその1％強が削減できるという予想外に大きな結果が得られたことを報告した。現在日本は、京編義定書で約束した1990年排出量対比6％の削減に向け大変苦戦を強いられているが、その相の内の1%がサイズアップで賄えるのでその影響は膨大と言える。 そこで筆者らは、その結果を踏まえて、サイズアップをどこのどの電線·ケーブルを対象にどのように進めるのか、また、それを実施するに当たっての技術的諸課題への対応策について検討した。