小容量X線管駆動用高周波直列共振形インバータ方式直流高電圧発生装置と性能評価

摘要

近年，高性能·高機能·高耐圧IGBTの進展に伴い，特定用途対応としての高周波トランスリンク共振形PWM DC-DCコンバータはスイッチング周波数の高周波化による小型軽量化，高性能化，高効率化に向けた研究開発が活発に推進されている。 筆者らは先に高周波トランスリンク共振形PWM DC-DCコンバータを用いたインバータ式医用X線高電圧装置に関係した論文をこれまでに数多く発表してきている。 高周波トランス共振形PWM DC-DCコンバータを医用X線高電圧装置に適用する場合，広い負荷設定範囲（X線管の出力電圧；管電嘩：20kV～150kV；X線管の出力電流；管電流：0.5mA～1250mA；等価負荷抵抗域：16kΩ～300kΩ）を必要とする。 高周波インバータの出力側に巻数比の大きい高周波高電圧トランスであるため，2次巻線の浮遊等価静電容量（以下，浮遊容量）が医用X線高電圧装置の小型軽量化，高効率化及び出力電圧過渡応答特性の高性能化の実現に強い影響を与えている。 従来の医用X線高電圧装置はインバータ周波数を高くするとスイッチング時の損失が増大し高周波電磁ノイズが発生するといった実際応用上のいくつか解決しなければならない問題がある。 これらの問題の効果的なソリューションに対してコッククロフト·ウォルトン回路（CW回路）を含む高周波ソフトスイッチングインバータ駆動方式DC-DCコンバータによる医用X線高電圧装置が考えられる。