京からポスト京へ大規模CFDが拓く新たな応用空力シミュレーション

摘要

このような観点から我々のグループでは、大規模CFDの産業応用を目指して、2012年に運用が始まった京コンピュータを頂点とするHPCI（High-Performance Computing Infrastructure）に対して最適化を行ったソフトウェアを開発し、産学連携で様々な実証課題に取り組んできた。具体的には、産業応用において有利であると考えられる非構造格子と階層型構造格子という二つの代表的データ構造に着目した。そして前者に対しては、HPCI戦略プログラム「分野4次世代ものづくり」の支援を受けて北海道大学が中心となって2011年よりFrontFlow/red-HPCを開発、後者に対しては理化学研究所計算科学研究機構で2012年よりCUBEを開発してきた。本稿ではこれらのプロジェクトで得られた最新の実証解析結果を紹介すると共に、それぞれの方法について、産業界での実用化を想定した場合のメリット·デメリットを比較検討する。また、開発が始まった「ポスト京」で、重点課題として採択された課題のうち、これらのソフトウェアを活用する予定のものを紹介する。