空気力学と飛行力学の連成によるプロペラ航空機モデルの飛行シミュレーション

摘要

流体-運動連成だけでは，機体は重力によって自由落下するだけである．航空機は，駆動力を生み出すプロペラや操縦を行う舵面（control surface）など，可動な構造部分を自在に操ることで様々な飛行が実施できる．そこで本研究では，プロペラ航空機を対象に，上記のダイナミクスを計算格子の移動·変形によって表現する手法を構築する．これにより航空機の飛行メカニズムを忠実に再現し，あたかも操縦桿を握るパイロットのような視点からの飛行実施を目指す．応用例として，プロペラ航空機モデルが操舵だけで宙返り，エルロンロール，バレルロールといった数々のマニューバ（航空機機動）を計算機内で再現できるかどうか飛行シミュレーションを行い，本手法の有効性を示す．