連続する分岐命令に適用可能なデュアルパス投機実行手法の提案

摘要

動的スケジューリングを行わないVLIWプロセッサは,分岐の振る舞いが不規則な非数値計算プログラムでは,多くのNOP命令を実行してしまうという問題点がある。 以前,我々はこの問題点を解決するために,NOP命令を利用して分岐命令後方の2つのパスに対して同時に投機実行を行うデュアルパス投機実行手法（DP手法）を提案した。 しかしDP手法は,分岐命令が連続する部分では投機実行を継続することができず,得られる効果が小さいという問題があった。 本稿では,この問題に対して,連続的にDP手法を行う連続DP手法を提案し,その有効性について検討する。 SPECint95ベンチマークを用いてシミュレーションを行った結果,連続DP手法は,DP手法に比べて平均して約3％～17％ほどIPCを向上できることがわかった。