下りリンタVSF-OFCDMブロードバンド無線アクセスにおける制御チャネル復号誤りのIPパケット伝送に対する影響

摘要

本報告では，下りリンク可変拡散率(VSF: Variable Spreading Factor)-OFCDM(Orthogonal Frequency and Code Division Multiplexing)移動無線アクセスにおいてMAC(Medium Access Control)層のパケット合成型ハイブリッドARQを用いた場合のマルチパスフェージングチャネルにおける制御チャネル復号誤りがIPパケット伝送特性，無線区間における伝送遅延特性に及ぼす影響を実験的に評価し，制御チャネルに要求される品質を明らかにした．実験結果より，遅延に対する要求条件の厳しいRT(Real Time)型トラヒックにおいては，下りリンクのIPパケットのスループット低減を回避するためには，下りリンク制御チャネル複号後のブロック誤り率(BLER: Block Error Rate)はトラヒックの所要パケットロス率(PLR: Packet Loss Rate)以下に設定する必要があり，無線チャネル利用効率の低減を回避するためには，上りリンク制御チャネルのBLERは10{sup}(-2)以下に設定する必要があることを示した．さらに，遅延に対する要求条件の緩やかなNRT(Non-Real Time)型トラヒックについては．IPパケット伝送の遅延の増大を防止するためには，下り／上りリンク共に制御チャネルのBLERを10{sup}(-2)以下に設定する必要があることを明らかにした．