静岡ガス「新研修センター」建物における環境と省エネに対する取り組み

摘要

本稿では「静岡ガス研修センター（以下、研修センターと称す）」の主要な設計コンセプトを省エネルギーに設定した背景とプロセスについて、建築設計者の視点より論じてみたい。 本誌には馴染みの薄い内容かも知れないが、省エネルギー建築は省エネ設備の集合では構築できないことに加えて、建築のサスティナビリティーへの理解が欠かせないことを理由に言及してみる。 また、研修センターは省エネルギー建築としてNEDO（新エネルギー·産業技術総合開発機構）の平成14年度住宅·建築物高効率エネルギーシステム導入促進事業に採択されたが、もとより設計当初よりこれを計画に組込んでいた訳ではない。 詳細は後述するが、研修センターの生成過程が結果的にNEDOの補助事業に帰結したのである。 言い換えれば、クライアントの社会的背景と設計要求をどのように建築プログラムに置き換えたかとの回答に対して、タイムリーに与えられた第三者機関からの評価なのである。