149トン近海マグロ延縄漁船“海青丸”

摘要

海青丸は、気仙沼の水産業界の期待を担い、以下の新機軸を盛り込んで建造された、氷蔵鮮魚専用近海マグロ延縄漁船である。 (1)スラリーアイス装置を搭載、漁獲物を急速冷却し、鮮度向上；(2)モノフィラメント直巻幹縄リールを搭載し、漁労作業を省人省力；(3)抵抗が少ない船体と高い効率のプロペラによる、省エネルギー；(4)居住設備にILO基準を適用し、快適な船上生活；(5)船上の漁労作業場所に覆いを設け、波浪から保護。 近海マグロ延縄漁船の漁業許可トン数は120トン未満であるが、本船は従来船と延縄規模、魚倉容積及び主機関出力を保った上で、上記の特性を可能とするため、総トン数を149トンに増加させている。 本船は、気仙沼遠洋漁業協同組合が事業主体となり建造し、これを独立行政法人水産総合研究センターが用船し、実証試験が行われる。