共振器対面配置型超伝導デュアルバンド帯域通過型フィルタ－フィルタを構成する2基板間の冷却温度差が周波数特性に与える影響評価

摘要

著者らは，2周波数帯（2.4-/2.9-GHz帯）において同時動作可能な共振器対面配置型超伝導帯域通過型フィルタを提案している．本フィルタは，対面配置された上下基板間の3次元的な位置ずれにより設計値と実測値に大きな乖離が生じるが，これまでは，各基板が同じ温度で冷却されていることを前提としていた．本稿では，各基板間の冷却温度差が周波数特性に与える影響を測定および電磁界シミュレーションにより定量的に明らかにした．上下基板間の温度差は測定の結果約2Kであり，この温度差により2.4GHz帯で約50kHz，2.9GHz帯で約250kHzそれぞれ通過帯域の中心周波数が低周波側に偏倚することを示した．このずれは，対面配置された上下基板間の3次元的な位置ずれにより生じるそれに比べて無視できる．