郷土葉山発世界企業Ajinomotoの化学史

摘要

戦前の小学校では，日本の誇る3大発明とは御木本幸吉の真珠，豊田佐吉の自動織機そして池田菊苗博士の味の素であると教えていた．その味の素創業のルーツは初代鈴木三郎助（忠七）の妻，一介の家庭の主婦鈴木ナカによる葉山の海岸の海藻（かじめ）からの医薬品ヨード事業で，一世紀にわたる味の素社の企業理念は「人を大切にする」にあり，これが今日の世界企業を築いた鍵といえる．