日本海東部西津軽沖，久六島東方中層域における第四紀後期の有孔虫群集と珪藻群集

摘要

日本海の第四紀古海洋に関する研究は，おもに水深1000m前後の深層域を中心に進められてきた（Koizumi et al．，2006；Domitsu and Oda，2006；Itaki et al．，2007；中川ほか，2009；大井，2011）。その結果，とくに水深500m以深で確認される薬理を伴う多数の暗色層（thin lamination；TL層）が対比の基準として用いられる（Ikehara et al．，1994）とともに，それが示す底層域の頻繁な貧酸素化について，成因，地球規模の変動との関連性，古環境復元などが，堆積学，微古生物学，地球化学などにより，多面的に追究されてきた。