分級による浚渫土砂の画期的な有効活用－関門航路浚渫工事における土砂の分級

摘要

関門航路は我が国と東アジアを結ぶ国際的な海上交通の要衝となっており，営々として航路の増深，拡幅，埋没対策のための浚渫工事が行われ，今後も浚渫工事を継続していく必要がある。 大量に発生する浚渫土砂は，主に埋立て地や人工島建設に有効利用されているが，土砂処分場の受入れ容量にも限りがあり，環境負荷を低減するためにも，凌凍土砂の減容化を図り現処分場の延命化を最大限図ることが必要である。そこで今回，大容量の処理能力を有する遠心分離装置を用いて大量の浚渫土砂を効率良く砂とシルト·粘土に分級する新しい分級工法（ソイルセパレータ工法）を採用し，約30万m{sup}3の浚渫藻土砂から約20万m{sup}3の砂を取出す事に成功した。 本報文では，分級工法の概要と現場施工への適用実績について紹介する。