太陽電池アレイ分散配置型システムの最適構成（単一インバータ方式とストリングインバータ方式の比較）

摘要

太陽電池を建物に設置する場合には，発電特性を考慮すると南向きの勾配屋根や，陸屋根に勾配をつけて設置することが望ましい。 しかしながら，近年，太陽電池を方位や傾斜の異なる屋根面や壁面に分散配置するシステムが増加している（以下，「アレイ分散配置型システム」という）。 これは，屋根面が必ずしも南向きではない，南屋根面が狭い，などの建物側からの制約条件の他に，建築デザインとして利用されるケースがあるためである。 このようなシステムでは，各太陽電池面の日射強度にばらつきが生じるため，全て同一仕様のモジュールであっても，任意の時点でのI-V特性は各面毎に異なり，アレイ全体の出力が各モジュールの出力の総和よりも小さくなる。 この問題を解決する一方策として，図1(b) に示すように各ストリング毎に専用のインバータを設けるシステム構成が提案されている。 このシステム構成は，他のストリングのI-V特性に影響されることなく，各ストリングの最大出力を追従することから適しているといわれている。