戸建住宅に対する太陽熱温水器と太陽光発電の市区町村別普及データを用いた普及要因分析

摘要

本論文の普及要因分析には，2つの特徴がある．まず，市区町村別普及率に着目していること，次に，気象条件や経済性だけでなく，ロコミ等による製品情報を購入動機とした情報伝達効果の視点からの普及要因分析を特徴としている．市区町村別に機器普及率，気象条件として日照時間·気温経済性として光熱費を利用する．さらに，情報伝達効果の詳細は後述するが，ロコミ等の伝搬力としての市区町村間距離と市区町村間の機器普及率差を利用する．また市区町村別属性として，気候帯·燃料供給·日照条件や建物密集度などの住宅建築環境等で分類した地点区分を設定した．そして，地点区分別に太陽エネルギー利用機器の普及率を被説明変数として，日照時間や気温，情報伝達効果等の説明変数による相関や回帰モデルの説明力により普及要因を評価し，有効な説明要因を導いた．