ソーラーオーガニックランキンサイクルシステムに関する研究

摘要

近年，二酸化炭素（CO{sub}2）による地球温暖化や都市温暖化（ヒートアイランド）などの環境問題が顕在化し，21世紀後半には人口増加による化石燃料の枯渇という大きな試練も待ち受けている．このようなことから，太陽エネルギーなどの再生可能エネルギーを積極的に利用したCO{sub}2を極力排出しないエネルギーシステムや水素燃料に転換したシステム，また，化石燃料を用いた場合は、熱効率を格段に向上させるシステムが求められている．従来のエネルギーシステム，とくに発電所は熱効率を向上させるために大型化，複雑化，集中化の-途を辿り，電力の最大需要地である都心から離れた遠隔地に集中して立地せざるを得なくなった．この結果送配電損失が発生するとともに，エネルギーの有効利用のために排熱を利用しようとしても，熱は長距離輸送が困難なことから実際には利用できないなどの問題を抱えている．さらに，今夏の関東圏で生起した原発停止に伴う電力危機の可能性など，大規模発電所のみに依存する現代社会の脆弱性が顕在化したといえる．