中国本土の消費市場に浸透する香港企業

摘要

中国商務部統計によると、2011年の香港から中国への直接投資は、契約件数が前年同期比6.3％増の13,889件、実行金額が同16.4％増の705.0億ドルとなった。対中直接投資全体に占める香港のシェアは、契約件数で同3.4％ポイント増の50.1％、実行金額で同3.5％ポイント増の60.8％。国·地域別での首位の座をますます確固たるものにしている（表1）。ジェトロ香港では、中国本土の消費市場に進出した香港の主要企業の活動状況についてとりまとめた。業種は不動産デベロッパー、小売業、美容·飲食などのその他サービス業の3業種とした。中国の市場規模の大きさと成長力に注目し、市場参入を図る日本企業は増加しているが、言語や商習慣の違い、現地ネットワークの形成など多くの課題に直面している。こうした問題を克服する上で、既に参入している香港や台湾の華人企業と提携することも有効な選択肢となっている。日本企業が香港企業と提携する機会は今後も増えると見られることから、香港企業がどのように中国本土の消費市場に浸透しているかについて、具体的な進出例を紹介する。