世界貿易展望の明暗～「輸入の底打ち」と「低価格志向」

摘要

2008年11月，世界貿易額（商品輸入，ドル建て）の前年同月比の伸びはマイナスに転じた。この減速は，国際商品市況の調整を主因とする価格下落のみならず，主要先進国·地域を中心とした需要減退によってもたらされた。世界GDPの約6割を占める個人消費で低価格志向が強まっていることから，今後，世界貿易に大幅な増加を見込むことは難しいのではないか。