メンテナンスの規格化と技術·技能伝承などの今後の展望：ISOにおけるメンテナンスデータ規格化の動向

摘要

あらゆる産業界において業務の革新を狙って，コンピュータを活用する動きは引き続き積極的に行なわれている。 工場設備のエンジニアリングにおいてもCADが不可欠になってきたことは周知の事実であるが，設備のメンテナンス業務にもかねてより情報のコンピュータ化の取り組みが行なわれてきている。 ところがそうした業務の大半は，個別業務のコンピュータ化であって，設計·調達·建設·試運転·運転·保全から廃棄にいたるまでのいわゆる「ライフサイクル」としての一貫した情報の体系化は緒についたばかりである。 わが国においても，環境問題の意識の高まりから3R (reduce, reuse, recycle)や，LCA (lifecycle cost assessment)など製品のライフサイクルについての取り組みは，この10数年かなり真剣に取り組まれてきたと言える。