投射光学系の最前線：高画質リアプロジェクション·スクリーン

摘要

リアプロジェクションテレビ(PTV)は，小型の表示デバイスをレンズ系によって拡大投影するという構造から，大画面化が容易であり北米を中心に大きな市場を形成している。日本国内での認知度はまだまだの感はあるが，北米では大型テレビといえばPTVを指すほど一般に普及している。 特に近年，マイクロディスプレイ(MD)方式のリアプロジェクションテレビ(PTV)の登場により，従来のCRT投射方式と比較して格段に画質が向上したこと，そして大画面であっても低価格であることなどから，急速にMD方式のPTVの市場が拡大している。 この画質向上には，高輝度ランプ，MD表示デバイスそしてスクリーンの技術的進歩によるところが大きい。 特にスクリーンは，最も観察者に近い位置に存在するデバイスであり，画質向上においてその役割は非常に大きいと言える。 スクリーンは投影された映像を拡散させる単純な役目をもつ。 しかしながら，背面投射用の透過型スクリーンでは，その使用環境から様々な特性が要求される。