Box-Cox変換を用いた風力発電出力の非線形モデリングと超短時間先予測

摘要

2011年の東日本大震災における原子力発電事故や地球温暖化の環境問題などから，風力発電や太陽光発電などの一部の自然エネルギーに注目が集まっている．これらの自然エネルギーは，CO_2削減効果や安全性などの利点がある一方で，発電出力は気象状況に左右され不確実性があるという問題点も認識されている．特に，自然エネルギーを大量導入したときには，急激な出力変動が電力系統全体の需給バランスの不均衡を引き起こし，電力系統の安定性に影響を及ぼす．この問題に対し，既存の自然エネルギーの出力を蓄電池と併設することで，急激な出力変動を平滑化する運用方法がある．このとき，自然エネルギーの発電量を予測し，その予測値に基づいて蓄電池に吸収させる割合を決定することで自然エネルギーの高効率な運用が期待できる．本研究では，自然エネルギーのうち風力発電に注目する．従来の風力発電出力の予測方法として，物理モデルに基づく方法や，統計データを扱う方法が存在する．