社会的交渉手法を用いた実仮想融合型生産スケジューリング（第2報）－仮想システムの生成範囲が再スケジューリングにもたらす影響

摘要

これまで実仮想融合型生産システムの概念をもとに，実仮想融合型生産システムにおけるスケジューリング手法の提案および検証を進めてきている．実仮想融合型生産スケジューリングを実現するために仮想システムの動的生成手法と生成された仮想システムにおける社会的交渉ベースの意思決定手法を2つのポイントとして検討を行なってきた．前報では計画段階における実仮想融合型生産スケジューリング手法において親合せオークション手法を適用した．提案手法は全入札方式によって最適解を導出可能であり，また部分入札方式によると解の精度と求解時間のバランスを両立できるという特徴を示した．本稿では，運用段階における実仮想融合型生産スケジューリング手法においても組合せオークション手法を適用し，さらに仮想システムの生成を部分要素に限定することで，より短時間で再スケジューリング可能となる手法を提案する．計算機実験により，仮想システムの生成範囲が再スケジューリング結果にもたらす影響について評価を行なう．