「地下空洞と物理探査」シンポジウム開催報告

摘要

地盤沈下や陥没などの災害を引き起こす地下空洞は，古くて新しい問題である。 すなわち, 空洞に関する災害は古くから認識されているが，現在でも重要な都市間題のひとつであるといえる。 さらに過去に形成された空洞の周辺地盤への影響が時間とともに増すであろうことを考えると，地下空洞は将来的にも重要な問題となると考えられる。 地下空洞問題におけるひとつの大きな技術的テーマは，地下に空洞があるのかないのか，あるとすればその位置や規模はどうか，地上から検知することである。さらに，検知された空洞が地盤陥没災害を起こすかどうかの可能性の評価，災害を防止するための対策工の策定や対策効果の評価，そして災害の予測が求められる。 これらの重要なテーマに対して，物理探査はどのように貢献できるのか，現状を整理し，今後の課題を整理しておく必要がある。