レアメタルリサイクルの現状と今後

摘要

レアメタルは「産業のどタミン」とよばれ、今や豊かな社会には不可欠な金属元素となっている。その名のとおりレアメタルとは、“特殊金属”や“稀少金属”という意味で広く一般に受けとめられているが、資源的には必ずしも“レア”な金属であるとはかぎらない。レアメタルの定義は、第1図に示すように、鉄やアルミニウム、銅、鉛、亜鉛などのコモンメタル（汎用金属、ベースメタル）を除いた金属の総称である。貴金属やインジウムのような資源的に稀少なものから、チタンやシリコンなどのように資源的には豊富なものまで、レアメタルの種類は多岐にわたる。時代とともにレアメタルの分類や定義は変化する。このため、対象となる元素を一義的に定義できない。純度や用途によっても、レアメタルと分類される場合やその範時から外れる場合もある。