フェライト製造における粉体技術

摘要

デジタル家電やブロードバンドの普及と共に，エレクトロニクス産業の活気が戻りつつある。これまで概念であったユビキクス社会も，その実現に向けて環境および技術が着実に整いつつある。 そのような進展に伴い，電子部品の小型化，高性能化，高信頼性化，多機能化，低コスト化が益々進んでいる。 フェライトは歴史のある電子材料であるが，そのようなトレンドを追求し，現在もエレクトロニクス産業の発展に貢献している。 フェライト部品の生産には粉体が関わり，材料の品質および工業プロセスを設計，管理する上で粉体特性の制御は欠かせない。 フェライト粉は，コストパフォーマンスの面から主に固相法により作製される。 フェライトを構成する各種原料を混合し，その後仮焼することで目的のフェライトを生成させ，その生成物を粉砕することで粉体を得る。 あまり複雑でないこれらの工程も，より極めることで，更なる高特性化が望めるものと考えられる。