「粉塵爆発事故の発生状況」

摘要

セッション2「粉じん爆発」は，（社）日本粉体工業技術協会粉じん爆発委員会の企画によるもので，委員会活動の原点ともなっている粉じん爆発危険性の認識と防止対策の広報が必要であるという目的で計画された。 可燃性粉じんによる爆発危険性の十分な認識と知識は，この種の事故·災害を防止するためにも不可欠であるという考え方から，粉じん爆発委員会では，約15年前から，爆発危険性の正当な評価方法に関わる測定方法の規格の作成を行ってきた。 その結果，1991年，並びに1998年に協会規格として粉じん爆発の「しやすさ」と「激しさ」に関する測定方法をそれぞれ制定した。 制定後，両規格のJIS化委員会を設置して，JIS化作業を行い，2001年度の（社）日本粉体工業技術協会からの申出により，2規格：JIS Z8817：2002「可燃性粉じんの爆発圧力および圧力上昇速度の測定方法」，JIS Z8818：2002「可燃性粉じんの爆発下限濃度測定方法」が制定されるに至った。 JIS Z8817は，粉じん爆発の「激しさ」，すなわち爆発圧力と圧力上昇速度の測定方法で，国際規格ISO6184-1に適合したものとなっているため，オリジナリティには欠ける面がある。 これに対して，JIS Z8818は粉じん爆発の「しやすさ」を爆発下限濃度で表すことにした測定方法で，ふるい落下式と吹上げ式試験装置による爆発下限濃度の測定方法を記述し，我が国独自の方法を含んでいる。