がんばれ!山の茶～山間地茶業振興策～(12): ～山梨南部町佐野地域の取り組み～

摘要

山梨県南部町は、県庁所在地の甲府市から南へ約六〇km離れた山梨県の最南端に位置し、静岡県に接した県境の町です。 南部町の茶園面積は一三〇ha（二〇〇〇年センサス）で、万沢、精根、佐野などの山間部の地域を中心に茶栽培が営まれています。私が茶業を営む南部町佐野地域は、南部町の北東部でこの町の中心を貫流する富士川支流の佐野川を一六km遡った山間地に位置します。 標高は四二〇m、土壌は（第三紀層）富士山に近いが、火山灰土でなく、小石が混ざった埴壌土で水捌けがよく茶栽培に適しています。 気象条件は、年平均一二.四℃で年降水量は二八九〇m、標高が高い割に、四方を山に囲まれているせいか冬には殆ど風がなく、雪も滅多に降りません。