「糖尿病、メタポリックシンドロームのメカニズムと治療、予防戦略一栄養学研究の視点から－」

摘要

本日は，日本栄養、食糧学会創立60周年記念というこ　 とで，私は「糖尿病、メタポリックシンドロームのメカニズムと治療、予防戦略一栄養学研究の視点から－」ということで，お話をさせていただきます。 私が専門にしております糖尿病は，残念ながら，患者数が増え続けておりまして，この50年間で30倍にも達しています。 現在，患者数は740万人で，予備群と合わせて1，620万人という状況です。 このような糖尿病の増加のバックグラウンドにありますのは，我が国における肥満者の増加です。 今から50数年前は，男性，女性とも，BMI（BodyMassIndex）は21から22からと，最も理想的なところにありましたが，近年では，男性はすべての年齢層で右肩上がりに増加をしています。 また，女性は20歳代，30歳代の女性は，むしろやせ過ぎが問題になっていますが，40歳以降の女性は，男性と同程度の肥満傾向です。 我が国では，BMI25以上を肥満としていますが，BMI25以上の肥満者は，男性1，300万人，女性は1，000万人いるわけであります（図1）。