ネット家電技術の動向

摘要

携帯電話，パソコン，ブロードバンド(ADSL，FTTH) など，家庭内におけるIT機器及びネットワークの普及が急速に進んでいる。 TVやエアコンなど家電製品のIT化が進み，家庭内でネットワークを形成するとともに，外部のネットワークに常時接続される世界が実現されつつある。 ネットワーク接続に対応したネット家電が普及すると，家電機器間の連携や外部との情報通信により，家電製品の機能や性能を最大限に発揮できることが可能となり，生活環境，利便性が大きく向上するとともに，省エネルギー化にも大きな効果を示す。ネット家電は，TV，VTR，DVDなどのAV系，冷蔵庫や洗濯機などの機器系，太陽光発電システムや電気温水器などの設備系に分類される。 AV系では，デジタル情報のダウンロードやストレージにより，多様で高品位な映像音響に囲まれた世界が誕生する。 機器系のネット家電では，ホームサーバ経由で，外出先から機器の状態を把握し制御することが可能となる。 設備系では，設備間の連携により，省エネルギー運転や最大電力量の制御による省コスト化が実現できる。 ネット家電を用いたホームネットワークの実現には，ユーザーが使いこなし，満足できる機能とサービス，省配線·低コストのネットワーク，機器が外部から簡単に制御できる高信頼性インタフェースの実装と標準化，デジタルコンテンツの流通を促進するためのコンテンツ権利保護制度整備が必要となる。三菱電機は，"いつでも，どこでも，だれでも"が家電製品を便利に使えるユビキタス社会を実現するため，AV，設備·機器，コンピュータの全分野に対応した家電機器，ネットワーク関連機器の開発を進めるとともに，住宅を用いた実証試験を行い，ユーザーメリットの本質的な追求を推進している。