次世代セルラネットウーク技術

摘要

携帯端末におけるブロードバンド無線通信は市場成長とともに新たな市場開拓が期待されている。 セルラ通信の分野では，現在より高速，広帯域の無線通信を可能とする次世代セルラシステムとして，Super 3G及び更に高速の第四世代(4G)移動通信システムに関する研究開発と標準化作業が進められている。 これら次世代システムでは基地局装置の小型化／小セル化に伴い，配備される基地局数が飛躍的に増加することで，加入者ノード装置の基地局収容数に大きなインパクトを与えるため，新規技術の導入が必要となる。三菱電機は，次世代セルラシステムにおける超小型基地局の本格的導入に不可欠な技術と位置付け，コンセントレータ技術及び分散基地局ネットワーク技術に取り組んでいる。 前者はコンセントレークによる基地局の一元的な集線によって，また後者は各基地局の仮想的なグルーピングによって，複数の超小型基地局を束ね，1台の基地局として動作させる技術である。 コンセントレータ技術は，各基地局の機能を変更せずに1台の基地局として動作するための機能をコンセントレータと呼ぶ制御装置で実現する技術であるため，既存システムへの適用や次世代システム構築の初期段階で比較的容易に導入することができる。 一方，分散基地局ネットワーク技術は，仮想的に基地局グループを形成し，各基地局の分散協調動作によって1台の基地局として動作する技術であるため，基地局配置状況の変化に対して柔軟に無線ネットワークを構築することができる。 これら技術の導入によって，次世代セルラネットワークを効率的かつ低コストで実現することが可能となる。